コラム|税金

仮想通貨詐欺の被害は税金で控除できる?雑損控除と確定申告

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結論

詐欺でだまし取られたお金は、雑損控除の対象になりません。国税庁は、雑損控除の対象を災害・盗難・横領による損害とし、詐欺や恐喝の場合は受けられないと明記しています。振り込め詐欺の被害について控除を認めなかった国税不服審判所の裁決もあります。

一方、「出金するには先に税金を払う必要がある」と言われるのは、税金ではなく詐欺の手口です。海外の投資サイトやSNSで知り合った相手が、日本の税金を代わりに集めることはありません。控除や申告の扱いで迷ったら、税務署か税理士に相談してください。

被害に遭ったうえに、確定申告のことまで気になる——「仮想通貨 詐欺 税金」で検索する人の多くは、だまし取られたお金を控除できないかと考えている人か、「税金を払えば出金できる」と言われて迷っている人です。この記事では、国税庁などの公的な説明をもとに、この2つの疑問に答えます。

仮想通貨詐欺の被害額は雑損控除できる?

できません。雑損控除は、災害や盗難、横領によって資産に損害を受けたときに、所得から一定額を差し引ける制度です。国税庁のタックスアンサー(No.1110)は、詐欺や恐喝の場合には雑損控除は受けられないと明記しています。

損害の原因と雑損控除の対象(国税庁 タックスアンサーNo.1110より)
損害の原因雑損控除
災害(震災、風水害、火災など)対象
盗難対象
横領対象
詐欺対象外
恐喝対象外

国税不服審判所の裁決(平成23年5月23日)は、振り込め詐欺で合計820万円をだまし取られた人の損失を、雑損控除の対象とは認めませんでした。裁決は、雑損控除は「本人の意思にもとづかないことが客観的に明らかな」災害・盗難・横領による損失に限られるとしたうえで、だまされて振り込んだとしても、振込み自体は本人の意思にもとづいて行われているため、これにあたらないと判断しています。

SNSやマッチングアプリで勧められて、自分で暗号資産を送ったり振り込んだりした仮想通貨詐欺の多くは、この「詐欺」にあたると考えられます。

仮想通貨詐欺でウォレットから暗号資産を抜き取られた場合は?

自分では送金していないのに、不正アクセスなどでウォレットから暗号資産を抜き取られた場合が「盗難」にあたるかについて、国税庁の公式な説明は見当たりませんでした。

参考になるのは、上の裁決が「盗難」の意味を、刑法の窃盗と同じく「持ち主の意に反して、第三者が物の占有を移すこと」と説明している点です。自分で送金したのか、知らないうちに抜かれたのかによって判断が分かれる可能性があるため、被害の経緯が分かる記録を持って、税務署に事情を説明し、確認してください。

仮想通貨詐欺のサイトに表示されていた利益に税金はかかる?

詐欺サイトの画面に「利益」が表示されていただけで、実際には出金できていない場合の課税について、国税庁の公式な説明は見当たりませんでした。詐欺サイトの画面の数字は、実際に売買や交換が行われたものかどうかも分かりません。

一方、詐欺とは別に、国内の取引所で暗号資産を売買して利益が出ている場合は、通常どおり申告が必要になることがあります。個別の取引の扱いは、税務署か税理士に確認してください。

仮想通貨詐欺で「出金するには税金が必要」と言われるのは本当?

詐欺の手口です。国民生活センターは、次のような相談事例を紹介しています。

「出金には税金が必要」と言われた相談事例(国民生活センター、2024年1月公表)
段階起きたこと
きっかけ画像投稿のSNSで知り合った外国人男性から、メッセージアプリで暗号資産の投資を勧められた
最初の投資国内の暗号資産取引所のアプリで2万円相当の暗号資産を買い、指定された投資サイトに送った
信用させる利益が3万円相当になり、自分の口座に出金できたので信用した
追加の投資40万円相当の暗号資産を送った
出金しようとすると「出金には12%の税金がかかる」として、約5,800ドル(約86万円)を払わなければ出金できないと言われた

最初に少額の出金ができたことは、安全の証明になりません。信用させて、より大きな金額を送らせるための流れです。金融庁も、儲けを引き出すには手数料等(保証金、税金、認証料)を払えと言われる相談を紹介しており、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)も、「手数料が必要」「税金の支払いが必要」などの理由で出金を拒む手口に注意を呼びかけています。

海外の投資サイトやSNSの相手が、日本の税金を集めることはありません暗号資産の利益にかかる所得税は、原則として自分で確定申告して納めるものです。「税金を先に払えば出金できる」と言われたら、払わないでください。出金のときに言われる名目(税金・マネーロンダリングの手数料・保証金など)と見分け方は、Proxtrendの記事でも整理しています。

仮想通貨詐欺の被害者に国税庁を名乗る連絡が来たら?

応じる前に疑ってください。国税庁は、ショートメッセージでURLを記載した案内を送ることはなく、国税の納付の求めや差押えについて、ショートメッセージやメール、LINEでメッセージを送ることはないと公表しています。また、税務調査などでメールを使うのは、納税者が利用を希望した場合だけだとしています。

「追徴課税がある」「今日中に払わないと差し押さえる」といった連絡がSMSやLINEで来たら、書かれたURLや連絡先は使わず、自分で調べた税務署の番号に問い合わせてください。

仮想通貨詐欺の被害者が、確定申告の前に確認したいことは?

送金先を調べたい方は、LINEでご相談ください

送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。

LINEで相談する(無料)

友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。

仮想通貨詐欺と税金のよくある質問

仮想通貨詐欺の被害額は確定申告で控除できますか?

詐欺による損害は雑損控除の対象になりません。国税庁は、雑損控除の対象を災害・盗難・横領による損害とし、詐欺や恐喝の場合は受けられないと明記しています。

出金するのに税金が必要と言われました。払うべきですか?

払わないでください。国民生活センターは、出金に「12%の税金」として約86万円を求められた相談事例を紹介しています。金融庁や日本暗号資産等取引業協会も、税金や保証金を理由に出金を拒む手口に注意を呼びかけています。

国税庁からLINEやSMSで、税金の未納や差押えの連絡が来ました。

国税庁は、国税の納付の求めや差押えについて、ショートメッセージやメール、LINEでメッセージを送ることはないと公表しています。書かれたURLや連絡先は使わず、自分で調べた税務署の番号に問い合わせてください。

弁護士や調査会社に払った費用は控除できますか?

国税庁の公式な説明は見当たりませんでした。個別の事情によって判断が変わる可能性があるため、税務署か税理士に確認してください。

執筆・監修

小野田泰久

株式会社ベスト 代表取締役 / CryptoTracer 運営責任者

仮想通貨(暗号資産)詐欺の送金先追跡調査に従事。 本記事の内容は、公開されているブロックチェーン情報と、 実際の調査で確認した送金経路の傾向にもとづいて記載しています。 資金の回収・返金や、送金先の持ち主の氏名・住所の特定は行っていません。
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