トラストウォレットで出金できない・凍結と言われたら確認すること
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トラストウォレット(Trust Wallet)の運営会社が、利用者のウォレットを凍結したり、出金を止めたりすることはできません。Trust Walletは、秘密鍵が利用者の端末で作られ、運営会社のサーバーには保存されないセルフカストディ型のウォレットです。公式ブログも、ウォレットを「停止(suspend)」する能力はないと説明しています。
「凍結を解除するには手数料が必要」「出金には税金の先払いが必要」と言われたら、それはTrust Wallet本体ではなく、相手や接続した外部のサイトが求めているものです。追加の支払いはせず、送金のTXIDを保存してください。
SNSやマッチングアプリで知り合った相手に勧められてトラストウォレットを入れ、指定されたサイトで運用していたところ、出金しようとした段階で「凍結」「手数料」を持ち出された——これは仮想通貨詐欺でよく見られる流れです。この記事では、Trust Wallet公式の説明をもとに、どこに詐欺があるのかの見分け方を整理します。
トラストウォレットが出金を止めたり、凍結したりすることはある?
ありません。Trust Walletの公式ブログは、秘密鍵は利用者の端末で作られて暗号化され、Trust Walletのサーバーには保存されないと説明しています。資産はブロックチェーン上にあり、利用者自身が署名しない限り動きません。
取引所では、取引所が利用者の資産の鍵を預かっているため、取引所が出金を止めれば利用者の資産にも影響が出ます。これに対してTrust Walletはセルフカストディ型なので、公式ブログは「ウォレットを停止(suspend)する能力はない」「利用者が常に資産を管理している」と書いています。取引所のような「口座の凍結」や「出金審査」の仕組みは、Trust Walletにはありません。
トラストウォレットで「出金できない」と表示されているのはどこ?
まず確認してほしいのは、「出金できない」と表示されている画面が、Trust Walletアプリそのものか、アプリ内で開いた外部のサイトかという点です。
Trust Walletには、アプリの中から外部のサービス(dApp)を開けるブラウザ機能があります。詐欺では、「マイニング」「ステーキング」「流動性提供」などをうたうサイトをこの機能で開かせたり、WalletConnectでウォレットを接続させたりして、サイト上に残高や利益を表示します。この数字はそのサイトが表示しているだけのもので、あなたのウォレットに入っているわけではありません。
見分け方は簡単です。Trust Walletのホーム画面に表示される各トークンの残高と、サイト上の残高を比べてください。サイト上にしかない残高は、実際にはあなたのアドレスに存在しません。
トラストウォレットを使った詐欺はどう進む?
| 段階 | 相手の言動 | 実際に起きていること |
|---|---|---|
| 勧誘 | SNSやマッチングアプリで知り合い、投資の話とともにTrust Walletの導入を勧める | 自分で管理するウォレットを用意させている |
| 接続 | 指定したサイトをアプリ内のブラウザで開かせ、「接続」「承認」を押させる | 承認の内容によっては、あなたのトークンを相手が動かせる権限を渡している |
| 利益の表示 | サイト上で残高や利益が日々増えていく | サイトが数字を表示しているだけ |
| 出金時 | 「手数料」「税金」「保証金」「凍結解除料」が必要と言う | 追加で送金させるための口実 |
特に注意が必要なのは「承認」の操作です。Trust Walletの公式ブログによると、dAppに承認を与えると、その権限はアプリを離れた後も有効なまま残ります。承認した相手の契約(コントラクト)が悪意のあるものなら、あなたが改めて確認しなくても、トークンを抜き取られることがあります。「接続しただけ」「承認を押しただけ」でも、資産を失うことがあるということです。
出している承認は、最新版のアプリのホーム画面にある「Approvals」タブで一覧でき、信用できない相手の承認は「Revoke」で取り消せます。取り消しても、すでに抜き取られた資産は戻りませんが、それ以上の被害を防ぐことにつながります。
「残高は見えるのに動かせない」ウォレットを渡されたら?
Trust Walletの公式ブログは、「ウォッチ専用(watch-only)」のアドレスを悪用した詐欺にも注意を呼びかけています。ウォッチ専用のアドレスは、残高を見られるだけで、秘密鍵がなければ送金できません。公式ブログが挙げている手口は次のようなものです。
- SNSのグループなどで、高額の残高が入ったウォレットを売ると持ちかけ、残高の画面を証拠として見せる
- 「マイニングや投資用に特別に設定したウォレット」だと言って、相手が用意したウォレットに入金させる。相手がそのアドレスに資金を送り、入金が増えているように見せるが、秘密鍵がないので動かせない
相手が用意したウォレットには入金しないでください。残高が表示されていても、秘密鍵を持っていなければ、その資産を動かすことはできません。
トラストウォレットの復元フレーズを聞かれたら?
絶対に教えないでください。復元フレーズ(シークレットフレーズ)を知っている人は、そのウォレットの資産をすべて動かせます。
Trust Walletの公式ブログは、Trust Walletが復元フレーズを尋ねることはない、SNSなどでメッセージを送って12語のフレーズを求めることもない、サポートがウォレットの「認証」を求めることもない、と明記しています。「凍結解除のため」「認証のため」とフレーズを求める「サポート担当」は偽物です。公式ブログも、復元フレーズを求めてくる相手はいつでも詐欺として扱うよう呼びかけています。
アプリそのものの偽物もあります。Trust Walletは、公式サイトかApp Store・Google Playから、開発元が「Trust Wallet」であることを確かめてダウンロードするよう案内しています。メッセージで送られてきたリンクからアプリを入れないでください。
トラストウォレットで詐欺に遭ったら、今すぐやることは?
- 追加の送金をしない。「手数料」「税金」「保証金」を払っても出金できることはありません
- やり取りの画面、接続したサイトのURL、表示されていた残高の画面を保存する
- 送金したときのトランザクションID(TXID)を控える(確認方法は次の見出しで説明します)
- 心当たりのない承認は「Approvals」タブで取り消す。復元フレーズを入力・共有してしまった場合は、残っている資産を、新しく作ったウォレット(復元フレーズを誰にも伝えていないもの)へ移すことを検討する
- 「凍結を解除できる」「資金を取り戻せる」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)
送付先が取引所のアドレスだったとしても、被害者が自分でその取引所に「凍結してほしい」と頼んで凍結されるわけではありません。凍結は、捜査機関からの要請などにもとづいて行われるものです。そのためにも、送金の記録を残し、送金先がどこなのかを把握しておくことが大切です。お金が戻る仕組みについては、仮想通貨詐欺のお金は戻ってくる?で説明しています。
送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。
LINEで相談する(無料)友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。
トラストウォレットで送金のTXIDを確認するには?
Trust Walletの公式ブログが案内している手順は、ホーム画面の「履歴(History)」ボタンを押し、該当の送金を選んで「View on Block Explorer」を押す、というものです。開いたブロックエクスプローラー(TronscanやEtherscanなど)に表示される「Transaction Hash」(または「Hash」)がTXIDです。アプリのバージョンによって表示名が異なる場合があります。
Trust Walletから送った場合でも、送金はブロックチェーン上に記録されています。TXIDと送金先アドレスがあれば、資金がどこへ流れたかを後からたどれます。追跡の仕組みは送金先はどうやって追跡できる?で解説しています。
- Trust Wallet「Is Trust Wallet Safe? How Your Crypto Is Protected」 — 2026年8月13日公開・14日更新。秘密鍵の保管、復元フレーズを尋ねないこと
- Trust Wallet「How to Spot a Crypto Scam」 — 2024年9月10日更新。ウォレットを停止できないこと、ウォッチ専用アドレスの詐欺
- Trust Wallet「Control and Revoke Token Approvals in Trust Wallet」 — 2025年11月17日。承認の確認と取り消し
- Trust Wallet「How to Avoid Fake Trust Wallet Apps」 — 2024年8月7日
- Trust Wallet「How to Use a Blockchain Explorer」 — 2024年6月14日。アプリからブロックエクスプローラーを開く手順
- Trust Wallet 公式サイト — セルフカストディ型ウォレットであることの説明
- Tether「Terms of Service」 — USDTの凍結についての定め
2026年9月10日時点の記載にもとづいています。英語の資料は当社で要旨を日本語にまとめたものです。
トラストウォレット詐欺のよくある質問
トラストウォレットに「凍結解除の手数料」を払えば出金できますか?
できません。Trust Walletは秘密鍵を利用者本人が持つセルフカストディ型のウォレットで、公式ブログもウォレットを停止する能力はないと説明しています。手数料を求めているのは相手か、アプリ内で接続した外部のサイトです。追加の支払いはせず、送金のTXIDを保存してください。
トラストウォレット自体が詐欺アプリなのですか?
いいえ。Trust Walletは実在する正規のウォレットアプリです。詐欺に使われるのは、ウォレットの導入を勧めてくる相手や、ウォレットを接続させる外部のサイトのほうです。ただし偽のアプリもあるため、公式サイトかApp Store・Google Playから、開発元が「Trust Wallet」であることを確かめて入れてください。
トラストウォレットから送金した場合でも追跡できますか?
できます。Trust Walletからの送金もブロックチェーン上に記録されるため、トランザクションID(TXID)と送金先アドレスがあれば、資金がどの取引所などへ流れたかを後からたどれます。
送金先の追跡を相談・依頼する
トランザクションハッシュと送金先アドレスがあれば、オンラインで調査を依頼できます。1件¥9,800、最短翌日。 申し込む前に、自分のケースが調査できるかをLINEで相談することもできます(相談は無料です)。