仮想通貨詐欺コラム|税金

仮想通貨が引き出せないのに税金を請求された?出金詐欺の見分け方

公開日:

結論

投資サイトや取引所から「出金するには先に税金を払ってください」と言われたら、仮想通貨詐欺の可能性が極めて高いです。日本の税金は、利益が出た本人が確定申告をして、自分で国(税務署)に納めるものです。投資サイトや取引所に「税金」を先に振り込んで出金する仕組みはありません。

金融庁は、出金の段階で「手数料・保証金・税金・認証料」などの名目で追加の入金を求める相談が多く、その額は画面の残高の2〜3割程度であることが多いと説明しています。払っても出金はできず、別の名目の請求が続くか、連絡が取れなくなります。これ以上払わず、やり取りと送金の記録を残してください。

SNSで知り合った相手に勧められた投資サイトで、残高が何倍にも増えた。出金しようとしたら「利益に税金がかかるので、先に20%を振り込んでください」と言われた——。本当に払わないと出金できないのでしょうか。この記事では、公的機関の公表資料をもとに、税金を名目にした出金詐欺の見分け方を整理します。

仮想通貨の出金に「税金」を先に払う必要はある?

ありません。国税庁は、暗号資産(仮想通貨)の取引で出た利益は原則として「雑所得」になると説明しています。そして税金は、本人が申告した税額にもとづいて、本人が納付の期限までに自分で納めるものです(国税庁は、納付の方法はダイレクト納付・インターネットバンキング・クレジットカード・コンビニ・金融機関の窓口などから「ご自身で選択し」て行うよう案内しています)。

本物の税金と、仮想通貨詐欺の「税金」の違い
本物の税金仮想通貨詐欺の「税金」
いつ払う翌年の確定申告のあと、納付の期限まで出金しようとした、その場で
どこに払う国(税務署)。ダイレクト納付・金融機関・コンビニなど投資サイト・取引所・担当者が指定する口座や暗号資産のアドレス
払わないと延滞税などがかかる(出金とは関係ない)「出金できない」「口座が凍結される」と言われる
金額所得や控除によって本人が計算する残高の10〜30%など、相手が決めた割合

投資サイトや取引所が、日本の税金を代わりに集めて出金を止めることはありません。「海外の取引所なので税金を先に払う決まり」「政府の協力で取引所が徴収する」などの説明も、日本の納税の仕組みとは合いません。

仮想通貨詐欺で「税金」を請求されるのはどんな流れ?

金融庁、国民生活センターの公表資料には、次のような相談事例が載っています。

公的機関が公表している相談事例(抜粋)
公表元相談の内容
金融庁SNSで知り合った人に誘われて投資をしたが、儲けを引き出せない。引き出すには手数料等(保証金、税金、認証料)を払えと言われている
国民生活センター(2024年1月公表)投資サイトで利益が出たので出金しようとすると、出金には12%の税金がかかり、約86万円を払わないと出金できないと言われた
国民生活センター(2026年9月公表)SNSの投資グループの指示で暗号資産を買い足し、残高が約2,000万円になったので出金しようとしたところ、税金等で500万円の入金が必要だと言われた
国民生活センター(暗号資産の相談事例)マッチングアプリで知り合った女性に暗号資産の運用を勧められ、儲かったので引き出そうとしたら税金を請求された

流れはほとんど同じです。最初は少額を出金できて信用させ、残高が大きく増えたところで出金を申し込むと、税金・手数料・保証金などを求められます。金融庁は、こうした追加の入金の額は「被害者が認識させられている財産額の2〜3割程度であることが多い」とし、追加で払っても、投資したお金や追加のお金を取り戻すことは難しいと説明しています。

画面の残高は、本物のお金とは限りません「残高2,000万円」と表示されていても、それは相手のサイトの中の数字です。税金の請求額は、その数字をもとに相手が決めています。残高が大きいほど請求額も大きくなるので、「せっかく増えたのだから」と払ってしまわないでください。

仮想通貨詐欺の「税金」を払うと、どうなる?

金融庁は、出金の段階で高額な入金を求められ、入金した直後に連絡が取れなくなるケースがあると注意を呼びかけています。当社が個別の業者を調べた記事でも、次のように「税金」のあとに別の名目が続く作りが見られます。

警察庁によると、2025年のSNS型投資詐欺は9,523件・被害額1,288.0億円(前年から48.5%増)で、被害金の渡し方が実質的に暗号資産だったものは件数の21.0%でした。国民生活センターに寄せられた暗号資産の相談も、2025年度は8,132件あります。

仮想通貨詐欺で「税金を払わないと出金できない」と言われたら、今すぐやることは?

  1. 税金・手数料・保証金・認証料・凍結解除費用を払わない。「期限を過ぎると資産が没収される」と急かされても払わない
  2. 出金を申し込んだ画面、税金を請求された画面やメッセージ、サイトのURL、勧誘してきた相手とのやり取りをスクリーンショットで保存する
  3. これまでの入金の記録をまとめる。暗号資産で送った場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
  4. 銀行振込で払った場合は、振込先の金融機関にすぐ連絡する
  5. 「税金を立て替える」「弁護士が取り戻す」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)
送金先を調べたい方は、LINEでご相談ください

送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。

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友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。

仮想通貨詐欺でなくした分の税金はどうなる?

詐欺で失ったお金について、確定申告で損失として扱えるかどうかは、状況によって異なります。詳しくは仮想通貨詐欺の被害と雑損控除の記事で整理しています。いずれの場合も、税金は税務署に納めるもので、投資サイトに払うものではありません。

参考

2026年9月18日時点の公開情報にもとづいています。相談事例は公的機関の公表資料からの要約です。

仮想通貨詐欺の「出金に税金」に関するよくある質問

海外の取引所なら、出金の前に税金を払う決まりがあるのですか?

日本に住む人の暗号資産の利益にかかる税金は、本人が確定申告をして税務署に納めるもので、海外の取引所や投資サイトに先に払って出金する仕組みはありません。「出金の前に税金を」と言われたら、仮想通貨詐欺を疑ってください。

税金を払えば本当に出金できますか?

できないことがほとんどです。金融庁は、手数料や税金の名目で追加の入金をしても、投資したお金や追加のお金を回収することは難しく、その後連絡が取れなくなる事例が多いと説明しています。払っても、別の名目の請求が続くことがよくあります。

すでに「税金」を払ってしまいました。どうすればいいですか?

これ以上払わず、払った日時・金額・振込先や送金先、請求された画面とやり取りを保存してください。暗号資産で払った場合は送金のTXIDを、銀行振込の場合は振込先の口座を控え、振込先の金融機関にすぐ連絡してください。

執筆・監修

小野田泰久

株式会社ベスト 代表取締役 / CryptoTracer 運営責任者

仮想通貨(暗号資産)詐欺の送金先追跡調査に従事。 本記事の内容は、公開されているブロックチェーン情報と、 実際の調査で確認した送金経路の傾向にもとづいて記載しています。 資金の回収・返金や、送金先の持ち主の氏名・住所の特定は行っていません。
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