取引所をかたる偽メール・SMSの被害は?フィッシング件数と届く文面
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フィッシング対策協議会によると、2025年のフィッシング報告件数は過去最多の2,454,297件で、2024年の約1.43倍でした。かたられたブランドは229で、そのうち仮想通貨系は10ブランドです。JVCEAは、実在する会社を装った偽サイト・偽アプリで盗まれたID・パスワードによる不正アクセス・不正取引の被害が急増し、会員の取引所でも被害が確認されたと公表しています。
取引所からのメールには、「本人確認書類の再提出」「取引一時停止中」のような件名がよく使われます。bitbankは、実際にその文面のメールを確認したと公表し、公式の送信元を3つだけ示しています。JVCEAは、「見覚えのある送信者からのメールやSMSでも、リンクを絶対に開かない」「公式サイトをブックマークしてアクセスする」「多要素認証を必ず設定する」ことを求めています。
「取引所から、本人確認の再提出を求めるメールが来た」「SMSに、ログインを求めるリンクがあった」——暗号資産の取引所を装う偽メール・偽SMSは、数字の上でも大きな問題になっています。この記事では、フィッシング対策協議会、JVCEA、各取引所の公式ページを当社が直接確かめて、件数、文面、対応を整理します。
フィッシングの報告は、どのくらい届いている?
フィッシング対策協議会の「フィッシングレポート2026」(2026年6月1日)によると、2025年1〜12月の報告件数は、過去最多の2,454,297件で、2024年と比較して約1.43倍でした。当社が2026年10月16日に、原文のページを確認しました。
| 分野 | ブランド数 |
|---|---|
| クレジットカード・信販系 | 37 |
| 金融系 | 36 |
| 証券系 | 21 |
| 通信事業者・メールサービス系 | 20 |
| オンラインサービス系 | 20 |
| EC系 | 16 |
| 決済サービス系 | 13 |
| 仮想通貨系 | 10 |
| 配送系 | 7 |
| その他 | 49 |
| 合計 | 229 |
最近の月ごとの報告件数は、次のとおりです(月次報告)。
| 月 | 報告件数 | 前月との差 |
|---|---|---|
| 3月 | 122,381件 | +65,285件 |
| 4月 | 151,112件 | +28,731件 |
| 5月 | 126,061件 | -25,051件 |
| 6月 | 72,370件 | -53,691件 |
| 7月 | 66,119件 | -6,251件 |
| 8月 | 82,338件 | +16,219件(約24.5%増) |
これは、全分野を合わせた件数です。当社が確認した範囲では、協議会の月次報告に、暗号資産交換業者のブランド別の件数は載っていませんでした。
取引所でも、実際に被害は出ている?
JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)は、2025年5月23日の注意喚起で、次のように書いています。
- 実在する会社を装った偽ウェブサイト・偽アプリ(フィッシングサイト・アプリ)や、マルウェア(ウイルス等)で窃取した、ログインID・パスワード等による、不正アクセス・不正取引の被害が急増している
- 「当協会の会員においても、被害の発生が確認されました」
また、2025年12月ごろの更新では、「当協会の会員名を不正に利用したフィッシングサイトを通じて、利用者財産の一部が盗難されたと思われる事案」の報告があったとしています。最近の手口として、SMSで誘導する、フィッシングサイトのURLが「https」から始まったり「.jp」ドメインだったりする、ワンタイムパスワードや秘密の合言葉まで入力させる、といった特徴を挙げています。
金融庁と警察庁は、令和8年8月6日に、JVCEAへ、暗号資産交換業者の顧客の被害が拡大していることを踏まえ、出庫先の事前登録制、購入後一定期間の出庫制限、フィッシングに耐性のある多要素認証の必須化などの対策を要請しました。
実際には、どんな文面のメールが来る?
各社が公表している、実際の例を紹介します。
| 公表元 | 内容 |
|---|---|
| bitbank(2025年7月23日) | 「【重要】本人確認書類の再提出のお願い(取引一時停止中)」という件名で、本人確認書類のアップロードを促すメールを確認。当社の送信元は noreply@bitbank.cc、support@bitbank.cc、contact@bitbankcc.zendesk.com のみで、それ以外は当社からのメールではない |
| GMOコイン(2024年2月26日) | 当社公式アカウントになりすましたSNSのダイレクトメッセージ等で、フィッシングサイトに誘導し、ログインメールアドレスやパスワードなどの重要な情報を入力させる |
| JVCEA(2025年12月ごろ) | 会員名を使ったフィッシングサイトを、SMSで誘導。偽の給付金情報で、LINEへ誘導し、個人情報を入力させようとした事案も。「当協会から一般の方に、直接メールで初回のご連絡を差し上げることはありません」 |
| bitFlyer | bitFlyerを装ったメールや、ネット掲示板等に記載された偽サイトのURLは、決してクリックしない。URLが https://bitflyer.com/ から始まっているかを確かめる |
共通するのは、「本人確認」「取引一時停止」「給付金」などの、気になる件名で、リンクを開かせ、ID・パスワード・ワンタイムパスワードを入力させる流れです。各社の偽サイトのドメインの見分け方は、bitFlyerの記事、コインチェックの記事、GMOコインの記事、ビットバンクの記事にもあります。
公式が、利用者に求めていることは?
- 多要素認証を、必ず設定する。JVCEAは、ID・パスワードを盗まれても、単要素認証より被害を防げる可能性が高まると書いています
- パスワードは、使い回さず、推測しにくいものにする(数字・英大小文字・記号の組み合わせ)
- 公式サイトを、あらかじめブックマークして、そこからアクセスする。メールやSMSのリンクからは、ログインしない(GMOコインも同じ案内)
- 見覚えのある送信者からでも、メッセージのリンクを絶対に開かない(JVCEA)
- 送信元のメールアドレスを確かめる。bitbankのように、公式の送信元が公表されている取引所では、それ以外は偽物
- URLを確かめる。「https」や「.jp」のドメインでも、偽物はある(JVCEA)。bitFlyerは、URLが公式のドメインから始まるかの確認を求めています
入力してしまった・出金されてしまったら?
- すぐに、取引所の公式の窓口に連絡する(公式サイトのブックマーク、または公式アプリから、連絡先を確かめる)。ログイン情報の変更、アカウントの制限を、依頼する
- 同じパスワードを使っているサービスの、パスワードを変更する。多要素認証を、まだ設定していなければ、設定する
- 偽メール・偽SMS、偽サイトの画面、ログインの履歴を、削除せず保存する
- 暗号資産が出金されていたら、その取引のTXIDと、送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
- 「取り戻せる」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)。返金の仕組みは返金の記事にまとめています
この記事で確認できなかった点は?
- 暗号資産交換業者ブランド別のフィッシング報告件数(フィッシング対策協議会の月次報告には、載っていませんでした)
- 取引所をかたるフィッシングによる、不正出金の件数・被害額(JVCEAは「被害が急増」と書いていますが、数字は確認できませんでした)
- コインチェック・DMM Bitcoin・楽天ウォレット・SBI VCトレードの、最新の個別の注意喚起の全文(当社の環境では、本文を取得できなかったものがあります)
- 個別のメール・SMSが偽物かどうかの判定(この記事は、公式の説明の整理です)
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- フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2026」 — 2025年の報告件数、分野別ブランド数。2026年10月16日確認
- フィッシング対策協議会「2026/08 フィッシング報告状況」ほか月次報告(3〜8月号) — 月別の報告件数。2026年10月16日確認
- JVCEA「【重要】インターネット取引サービスを利用される皆様へ〜不正アクセス・不正取引の被害急増のお知らせと大切な資産を守るためのお願いについて〜」 — 2025年5月23日。被害の急増、多要素認証、リンクを開かない。2026年10月16日確認
- JVCEA「当協会や当協会会員を騙った勧誘や偽サイトにご注意ください」 — 会員名を使ったフィッシング、最近の手口。2026年10月16日確認
- bitFlyer「フィッシング詐欺にご注意ください」 — URLの確認、補てんを行っていないこと。2026年10月16日確認
- bitbank「!当社を騙る偽メールやフィッシング詐欺にご注意ください!」 — 2025年7月23日。本人確認書類の再提出をうたうメール、公式の送信元。2026年10月16日確認
- GMOコイン「【重要】フィッシングサイトにご注意ください」 — 2024年2月26日。SNSのDMを使った手口、確認事項。2026年10月16日確認
- 金融庁「暗号資産を用いた詐欺被害等防止に向けた対策の一層の強化について」 — 令和8年8月6日。JVCEAへの要請。2026年10月16日確認
2026年10月16日時点の公開情報にもとづいています。フィッシング対策協議会の件数は、全分野を合わせた報告件数です。実在の取引所は、フィッシングで名前を使われた側です。
取引所をかたる偽メール・SMSに関するよくある質問
取引所から「本人確認書類の再提出」のメールが来ました。本物ですか?
リンクは開かないでください。bitbankは、「【重要】本人確認書類の再提出のお願い(取引一時停止中)」という件名で、本人確認書類のアップロードを促す偽メールを確認したと公表しています。公式のブックマークから、自分でログインして確かめてください。
フィッシングの報告は、どのくらいありますか?
フィッシング対策協議会によると、2025年の報告件数は過去最多の2,454,297件で、2024年の約1.43倍でした。かたられたブランドは229で、うち仮想通貨系は10ブランドです。2026年8月の報告件数は82,338件でした。
「https」で始まるURLなら安全ですか?
安全とは言えません。JVCEAは、フィッシングサイトのURLが「https」から始まったり、「.jp」ドメインが使われたりすることがあると説明しています。URLが公式のドメインかを確かめ、メールやSMSのリンクからはログインしないでください。
IDとパスワードを入力してしまいました。どうすればいいですか?
公式の窓口に連絡して、ログイン情報の変更とアカウントの制限を依頼し、同じパスワードのサービスのパスワードも変更してください。偽サイトの画面を保存し、出金されていたら、そのTXIDと送金先のアドレスを控えてください。
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