仮想通貨詐欺コラム|SNS

投資詐欺の犯人は捕まる?警察庁が示す検挙の数字と罪の重さ

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結論

SNS型投資詐欺の検挙は増えていますが、被害の件数と比べると限られています。警察庁の確定値で、令和7年のSNS型投資詐欺は認知9,523件に対し、検挙は369件・224人でした(前年は130件・58人)。検挙された人は、受け子や出し子などの実行役が多く、首謀者に届くのは容易ではありません。

詐欺罪の刑は十年以下の拘禁刑で、組織的に行われた場合は一年以上の有期拘禁刑です。暗号資産で送った場合、送金の記録は公開されていても、犯人の本人情報は取引所など事業者が持っています。だからこそ、送金のTXIDと送金先のアドレスを、早く控えておくことが重要です。

「投資詐欺の犯人は、本当に捕まるのか」「捕まらなければ、お金は戻らないのか」——被害に遭った人が必ず抱く疑問です。この記事では、警察庁の統計と法令の条文を当社が直接確かめて、検挙の現状と罪の重さ、暗号資産の送金から分かる範囲を整理します。

SNS型投資詐欺の検挙は、どのくらい進んでいる?

警察庁が公表している令和7年(2025年)の確定値は、次のとおりです。当社が2026年10月10日に、公式のページと資料のPDFを開いて確認しました。

警察庁が公表した令和7年の検挙状況と認知件数
手口認知件数検挙件数検挙人員
SNS型投資詐欺9,523件369件(+239件、+183.8%)224人(+166人、+286.2%)
SNS型ロマンス詐欺5,645件261件(+129件、+97.7%)173人(+102人、+143.7%)
2つの合計15,168件630件(+368件、+140.5%)397人(+268人、+207.8%)
SNS型投資詐欺(令和8年8月末・暫定値)7,097件648件(前年同期より+516件、+390.9%)286人(前年同期より+228人、+393.1%)

検挙は前年から大きく増えています。令和8年8月末までの暫定値でも、SNS型投資詐欺の検挙は648件・286人と、前年同期より大きく増えています。一方で、認知件数と検挙件数を割って「検挙率」とすることは、当社はしません。警察庁の注記によると、検挙件数・検挙人員には、犯罪収益がこれらの詐欺に由来する組織的犯罪処罰法違反も含まれるためです。警察庁の資料にも、検挙率は示されていません。

検挙されているのは、どんな役割の人?

警察庁は、SNS型投資・ロマンス詐欺で検挙した397人を、役割別に次のように示しています。

SNS型投資・ロマンス詐欺の被疑者全体の役割別内訳(令和7年・警察庁の確定値より)
役割検挙人員割合
受け子103人25.9%
主犯87人21.9%
打ち子・架け子58人14.6%
出し子48人12.1%
現金回収・運搬21人5.3%
道具調達17人4.3%
見張り役9人2.3%
見張りの指示役6人1.5%
リクルーター5人1.3%
その他43人10.8%

最も多いのは受け子で、約4人に1人です。受け子等として検挙された304人のうち、SNSから応募した人が119人(39.1%)、知人等の紹介が115人(37.8%)でした。警察庁は、この経緯の統計を令和7年から始めたと書いています。受け子等として検挙された人の約4割が、SNSの募集をきっかけにしていた、というのが公表された数字です。

犯行の拠点についても、警察庁は令和7年中に国内で架け場等の犯行拠点を11箇所摘発したと書いています。また、海外の拠点を外国当局が摘発し、日本に移送して検挙した人数は、特殊詐欺の海外拠点に関連して54人でした。SNS型投資詐欺の事件としては、同年9月に職務質問をきっかけに入手した情報から打ち場の拠点を特定し、11月までに6人を逮捕した例が挙げられています。

投資詐欺の罪は、どのくらい重い?

e-Gov法令検索で、当社が2026年10月10日に条文を確認しました。

詐欺に関する主な法定刑
根拠内容刑
刑法246条(詐欺)人を欺いて財物を交付させる、または財産上不法の利益を得る10年以下の拘禁刑
刑法250条詐欺罪は未遂でも罰する—
組織的犯罪処罰法3条1項13号詐欺が団体の活動として、そのための組織により行われた場合1年以上の有期拘禁刑

刑法は改正され、現行の条文では、従来の「懲役」が「拘禁刑」に変わっています。有期拘禁刑の長さは、刑法12条で1か月以上20年以下と定められています。組織的な犯行として組織的犯罪処罰法が適用されると、「1年以上」という下限が付き、軽い刑にとどめにくくなります。どの罪名がどの事件に適用されるかは、個別の事件ごとに捜査機関と裁判所が判断します。

暗号資産で送った場合、犯人はどこまで分かる?

暗号資産の送金は、ブロックチェーンに記録が残ります。公開された記録から分かるのは、どのアドレスからどのアドレスへ送られたかという流れです。一方で、そのアドレスを誰が使っているかという本人の情報は、公開されていません。国内の登録を受けた暗号資産交換業者は口座の持ち主の情報を持っていますが、これを調べられるのは、法的な手続きによる捜査機関です。

日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)は、国内の登録暗号資産交換業者を利用していた場合には、警察から当該事業者に対して情報提供の依頼が行われることがあると書いています。金融庁も、令和8年8月6日に警察庁と連名で、同協会に対して、疑わしい取引を検知した後の口座凍結等の措置の迅速化や、警察への情報提供・連携の強化などの対策を改めて要請しました。

⚠ 当社が行うこと・行わないこと当社は、犯人の氏名などの本人を特定することも、取引所に凍結を求めることもできません。当社が行うのは、公開されているブロックチェーンの情報だけをもとに、送金がどのアドレスを通って、どこの取引所に着いたかを整理した報告書の作成です。報告書には実際のTXIDを明記します。資金の回収や返金はお約束しません。

犯人が捕まらないと、お金は戻らない?

犯人の検挙と、被害金が戻ることは、別の話です。銀行振込で払った場合は、犯人が口座から引き出す前であれば、振り込め詐欺救済法により、口座に残っている分から被害回復分配金が支払われる場合があります。犯人が検挙され、刑事裁判で犯罪被害財産が没収・追徴されたときは、被害回復給付金支給制度を利用できる場合があります(金融庁・法務省の説明)。暗号資産で送った分の仕組みと現実は、返金の仕組みの記事にまとめています。

手続きの期限については、投資詐欺の時効と手続きの期限の記事で整理しています。

この記事で確認できなかった点は?

犯人を追えるように、今のうちに何を控える?

  1. 追加の入金・送金をしない。「出金のため」「税金のため」と言われても払わない
  2. 相手とのやり取り(SNS・LINE・メール)、投資サイト・アプリの画面、相手の名乗りを、削除せず画像で保存する
  3. 銀行振込で払った場合は、振込先の金融機関にすぐ連絡する(口座に残っている間が勝負です)
  4. 暗号資産で送った場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)。送金の流れを調べるための、大事な手がかりになります
  5. 「犯人を捕まえて返金する」「取り戻せる」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)
送金先を調べたい方は、LINEでご相談ください

送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。

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友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。

参考

2026年10月10日時点の公開情報にもとづいています(令和8年8月末の暫定値は2026年10月16日に追記)。警察庁の数字は警察が把握した件数で、実際の被害や検挙の総数ではありません。条文は現行のもので、改正により変わることがあります。

投資詐欺の犯人の検挙に関するよくある質問

投資詐欺の犯人は捕まりますか?

警察庁の確定値で、令和7年のSNS型投資詐欺は認知9,523件に対し、検挙件数369件・検挙人員224人でした。検挙は前年から大きく増えています。ただし、個別の事件が検挙されるかどうかは、この数字からは分かりません。

投資詐欺の刑は、どのくらいですか?

刑法246条の詐欺罪は、十年以下の拘禁刑です。団体の活動として組織により行われた場合は、組織的犯罪処罰法3条により、一年以上の有期拘禁刑になります。どの罪名が適用されるかは、個別の事件ごとに判断されます。

暗号資産で送った場合、犯人の名前は分かりますか?

公開されたブロックチェーンの記録からは、送金の流れは分かりますが、アドレスを使っている人の本人情報は分かりません。国内の登録業者を使っていた場合は、警察から事業者への情報提供の依頼が行われることがあると、日本暗号資産等取引業協会が説明しています。

犯人が捕まれば、お金は戻りますか?

戻るとは限りません。刑事裁判で犯罪被害財産が没収・追徴された場合に、被害回復給付金の制度を利用できる場合があります。銀行振込の場合は、犯人が口座から引き出す前であれば、振り込め詐欺救済法の手続きで分配金が支払われる場合があります。

執筆・監修

小野田泰久

株式会社ベスト 代表取締役 / CryptoTracer 運営責任者

仮想通貨(暗号資産)詐欺の送金先追跡調査に従事。 本記事の内容は、公開されているブロックチェーン情報と、 実際の調査で確認した送金経路の傾向にもとづいて記載しています。 資金の回収・返金や、送金先の持ち主の氏名・住所の特定は行っていません。
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