SNS型投資詐欺とは?警察庁の確定値で見る被害額と手口の流れ
公開日:
SNS型投資詐欺は、警察庁の確定値で令和7年(2025年)に9,523件・被害額1,288.0億円、前年より件数は48.5%、被害額は47.9%増えました。令和8年も止まっておらず、8月末までの暫定値で7,097件・937.4億円、前年の同じ時期より約5割増えています。
入口は、著名人をかたるバナー広告と、InstagramやLINEなどのダイレクトメッセージで、合わせて約8割を占めます。被害金の渡し方は銀行振込が件数の約75%で、暗号資産は実質的に件数の21.0%・被害額の17.2%です。「必ずもうかる」「元本保証」と言われたら、その時点で詐欺を疑ってください。
「SNSで知り合った人に投資を勧められた」「著名人の広告から投資グループに入った」——最近よく聞く、SNS型投資詐欺です。この記事では、警察庁・金融庁の公表資料を当社が直接確かめて、被害の大きさ、入口、手口の流れ、送らされ方を整理します。
SNS型投資詐欺とは、どんな詐欺?
警察庁は、SNS型投資詐欺を次のように定義しています。「SNS等を通じて対面することなく、交信を重ねるなどして関係を深めて信用させ、投資金名目やその利益の出金手数料名目等で金銭等をだまし取る詐欺」で、恋愛感情を利用するSNS型ロマンス詐欺に当たるものは除いて数えています。
ポイントは、会ったことのない相手と、メッセージのやり取りだけで関係を深めていくことです。投資の話を前面に出すのがSNS型投資詐欺、恋愛感情や親近感を使うのがロマンス詐欺で、実際にはこの2つが混ざることもあります。ロマンス詐欺の側から見た記事は、マッチングアプリの投資詐欺の記事にまとめています。
SNS型投資詐欺の被害は、どのくらい出ている?
警察庁が公表している数字は、次のとおりです。当社が2026年10月10日に、公式のページと資料のPDFを開いて確認しました。
| 期間 | 認知件数 | 被害額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025年・確定値) | 9,523件 | 1,288.0億円 | 前年より件数+3,110件(+48.5%)、被害額+416.9億円(+47.9%) |
| 令和8年8月末(暫定値) | 7,097件 | 937.4億円 | 前年同期より件数+2,347件(+49.4%)、被害額+328.0億円(+53.8%) |
これは警察が把握した「認知件数」で、実際の被害の総数ではありません。届け出ていない被害もあるため、実際はこれより多いと考えるのが自然です。ロマンス詐欺と合わせた令和7年の合計は15,168件・1,834.3億円で、警察庁は1日当たり約5.0億円、既遂1件当たりの被害額を約1,213万円と示しています。
被害者は幅広い年代にいますが、警察庁は男女とも40代から60代が多数だと書いています。令和7年は男性が5,463件・747.7億円、女性が4,057件・534.9億円で、男性が件数・被害額とも約6割を占めました。
どこから接触してくる?
警察庁は、令和7年の当初の接触手段を次のように示しています。
| 接触手段 | 認知件数 | 前年との比較 |
|---|---|---|
| バナー等広告 | 3,785件 | +884件(+30.5%) |
| ダイレクトメッセージ | 3,549件 | +1,416件(+66.4%) |
この2つで全体の約8割を占めます。警察庁によると、バナー等広告は令和7年3月以降に増える傾向があり、著名人の画像や動画を無断で使った広告や、「必ずもうかる」「元本保証」といった文言を含む広告が確認されています。増加の主な要因は、YouTubeや投資サイトのバナー広告と、Instagram・LINE・Facebookのダイレクトメッセージです。
警察庁は、著名人をかたる広告の特徴として、次の点を挙げています。
- 動画で、口の動きと声が合わない、日本語の表記が誤っているなど、不自然な点がある
- 著名人をかたっているのに、未認証のアカウントを使っている
- LINE登録に誘導する
- 「必ずもうかる」「元本保証」などの甘い文句で誘う
手口は、どんな流れで進む?
警察庁のSOS47のページは、手口の一例を次の7段階で示しています。
- SNSの広告をタップする
- 犯人側と接触し、グループに招待される
- グループ内で、儲かっているというサクラの投稿が並ぶ
- 投資家やそのアシスタントを名乗る者から、振込の指示が来る
- 偽の利益が画面に出て、その一部(少額)が被害者の口座に振り込まれる
- 高額の偽の利益を見せ、全額を引き出すための手数料などを要求される
- 突然、連絡が途絶える
警察庁は、「一度だまされると、詐欺と気付くまで、お金を何度も振り込んでしまい、1,000万円以上の高額被害になってしまうこともある」と書いています。事例として、60代男性の約6,300万円、50代女性の1億円以上、70代男性の1億円以上などが挙げられています。出金のために「保証金」や「税金」を求める流れは、出金のための税金・手数料の記事でも詳しく書いています。
投資グループへ誘導される流れに絞った記事は、テレグラム詐欺の記事にあります。
お金は、振込と暗号資産のどちらで送らされている?
ほとんどは銀行振込です。警察庁の令和7年の確定値は、被害金の渡し方を次のように整理しています。
| 交付形態 | 認知件数 | 被害額 |
|---|---|---|
| 振込型 | 7,135件(74.9%) | 1,000.6億円(77.7%) |
| うちインターネットバンキング利用 | 5,049件(振込型の70.8%) | 807.2億円(振込型の80.7%) |
| うち暗号資産交換業者の口座への振込 | 104件 | 6.7億円 |
| 暗号資産送信型 | 1,898件(19.9%) | 215.5億円 |
| その他 | 490件(5.1%) | — |
暗号資産で送らされた分は、前年より件数が+149.1%、被害額が+145.0%と大きく増えました。警察庁は、これに暗号資産交換業者の口座への振込(104件・6.7億円)を合わせると、実質的に暗号資産だったものが件数の21.0%、被害額の17.2%だと整理しています。
振込で払った場合と暗号資産で送った場合では、取り戻しのための仕組みが違います。違いは返金の仕組みの記事にまとめています。
どの時点で「おかしい」と気づける?
- SNSやLINEで知り合ったばかりの相手から、投資や暗号資産の話を持ちかけられる
- 著名人の名前や顔で投資を勧める広告から、LINEなどの別のサービスに移るよう誘導される
- 「必ずもうかる」「元本保証」「今だけの枠」と言われる
- 投資用のアプリやサイトを自分でインストール・登録するよう言われ、画面上の利益だけが増えていく
- 最初の少額は出金できたが、大きな額を入れたあとに、手数料や税金、保証金を求められる
この記事で確認できなかった点は?
- 令和8年の通年の確定値(当社が確認した時点では、令和8年8月末までの暫定値が最新でした)
- 暗号資産で送った分を、後から取り戻せた割合(警察庁・金融庁の統計に見当たりませんでした)
- 個別のサイト・アプリ・グループの詐欺性(この記事は手口と公的な数字の説明で、個別の事案は扱っていません)
SNS型投資詐欺に遭ってしまったら?
- 追加の入金・送金をしない。「出金のため」「税金のため」と言われても払わない
- 相手とのやり取り(SNS・LINE・メール)、投資サイトやアプリの画面、相手の名乗りを、削除せず画像で保存する
- 銀行振込で払った場合は、振込先の金融機関にすぐ連絡する(口座に残っている間が勝負です)
- 暗号資産で送った場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
- 「お金を取り戻せる」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)
送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。
LINEで無料相談友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。
- 警察庁・SOS47「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」 — SNS型投資詐欺9,523件・1,288.0億円、接触手段、交付形態、被害者の年齢層と性別。資料のPDFも確認。2026年10月10日確認
- 警察庁・SOS47「令和8年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」 — SNS型投資詐欺7,097件・937.4億円。2026年10月10日確認
- 警察庁・SOS47「SNS型投資詐欺」(手口のページ) — 手口の7段階と事例。2026年10月10日確認
2026年10月10日時点の公開情報にもとづいています。警察庁の数字は警察が把握した認知件数・被害額で、実際の被害の総数ではありません。令和8年の数字は8月末までの暫定値です。
SNS型投資詐欺に関するよくある質問
SNS型投資詐欺とは、どんな詐欺ですか?
警察庁は、SNS等を通じて対面することなく、交信を重ねるなどして関係を深めて信用させ、投資金名目やその利益の出金手数料名目等で金銭等をだまし取る詐欺と定義しています。恋愛感情を利用するSNS型ロマンス詐欺に当たるものは別に数えられています。
SNS型投資詐欺の被害額は、どのくらいですか?
警察庁の確定値で、令和7年は認知件数9,523件、被害額1,288.0億円でした。令和8年8月末の暫定値は7,097件・937.4億円で、前年同期より件数・被害額とも約5割増えています。
最初は利益が出て、少額なら出金もできました。それでも詐欺ですか?
あり得ます。警察庁の手口の一例では、偽の利益を画面に出し、その一部(少額)を被害者の口座に振り込んで信用させ、その後、高額の偽の利益を見せて、全額を引き出すための手数料などを要求する流れが示されています。
暗号資産で送ってしまいました。まず何を控えればいいですか?
追加の送金はせず、相手とのやり取りを削除せずに保存し、送金のTXIDと送金先のアドレスを控えてください。暗号資産では、送金の記録があとから調べるための大事な手がかりになります。「取り戻せる」と連絡してくる相手には注意が必要です。
送金先の追跡を相談・依頼する
トランザクションハッシュと送金先アドレスがあれば、オンラインで調査を依頼できます。1件¥9,800、最短翌日。 申し込む前に、自分のケースが調査できるかをLINEで相談することもできます(相談は無料です)。
調査の仕組みと料金は、仮想通貨詐欺の調査会社「CryptoTracer」のサービス紹介で詳しくご覧いただけます。