仮想通貨詐欺コラム|被害回復

投資詐欺に時効はある?返金手続きの期限と損害賠償請求の時効

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結論

投資詐欺には、取り戻すための手続きごとに別の「期限」があります。銀行振込で払った場合の被害回復分配金は、公告の翌日から30日以上の申請期間内に申請しないと受けられず、そもそも犯人が口座から引き出してしまうと支払はありません。

損害賠償の請求権は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効にかかります(民法724条)。詐欺罪の公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条)。どの期限も、最初に動くのは「送金の記録を控え、振込先の金融機関に連絡すること」です。

「だまされたのは何か月も前です。もう手遅れですか?」——被害に気づくのが遅れた人から、よく聞かれる疑問です。この記事では、金融庁の説明と法令の条文を当社が直接確かめて、投資詐欺の被害で意識しておきたい期限を整理します。

投資詐欺の被害に関する期限は、どんなものがある?

「時効」とひとことで言っても、取り戻すための手続きや法律ごとに期限は別々です。当社が2026年10月10日に、金融庁のページとe-Govの条文で確認した内容を、先に一覧にします。

投資詐欺の被害に関する主な期限
手続き・法律期限・条件根拠
振り込め詐欺救済法の被害回復分配金公告の翌日から30日以上の申請期間内に申請する。期間内に申請できなければ受けられない。犯人が口座から引き出す前でなければ支払はない金融庁の説明
損害賠償の請求(民事)損害及び加害者を知った時から3年間、不法行為の時から20年間行使しないと、時効で消滅する民法724条
犯人の刑事責任(公訴時効)詐欺罪(10年以下の拘禁刑)は7年。犯人が国外にいる間は、時効の進行が停止する刑事訴訟法250条・253条・255条

どれも、個別の事件でいつから数え始めるか、完成しているかは、事情によって異なります。ここでは条文と公的機関の説明を紹介するもので、個別の判断はできません。

振り込め詐欺救済法の手続きは、いつまでに動けばいい?

金融庁は、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺も、預金口座等への振込みで被害に遭った場合は、振り込め詐欺救済法の対象になると説明しています。ただし、条件があります。

つまり、最も大事な期限は「できるだけ早く、振込先の金融機関に連絡すること」です。公告が出ているかどうかは、預金保険機構のサイトで、振込先の口座の残高や申請期間まで確かめられると金融庁は書いています。振込明細書を紛失していても、申請は可能です(振込の内容を金融機関に説明する必要があります)。

暗号資産で送った分にも、同じ期限がある?

金融庁の説明で、救済法の対象は預金口座等への振込みが利用された詐欺等です。暗号資産を相手のアドレスに送った分は、この制度の対象として示されていません。暗号資産で送った場合に、この分配金のような申請期間が定められた制度は、当社が確認した範囲では見当たりませんでした。

その代わり、資金は動き続けます。時間が経つと、送金先のアドレスから別のアドレスへ、さらに別の事業者へと移っていきます。後から調べるための手がかりは、送金のTXIDと送金先のアドレスです。期限が決まっていないからこそ、早く控えておくことが重要です。仕組みと現実は、返金の仕組みの記事にまとめています。

損害賠償を求めるときの時効は?

民法724条は、不法行為による損害賠償の請求権は、次の場合に時効によって消滅すると定めています。

ここでいう「損害及び加害者を知った時」がいつかは、個別の事情によります。具体的な請求の可否や進め方は、法律の専門家の判断が必要な領域で、当社は扱っていません。

犯人を処罰できる期間(公訴時効)は?

刑事訴訟法250条は、罪の重さ(法定刑の長さ)に応じて、時効の期間を定めています。詐欺罪は刑法246条で10年以下の拘禁刑とされており、法定刑の長期が15年未満の罪に当たるため、公訴時効は7年です。時効は、犯罪行為が終わった時から進行します(刑事訴訟法253条)。また、犯人が国外にいる間は、時効の進行が停止します(同255条)。

組織的に行われた詐欺には、組織的犯罪処罰法が適用されて「1年以上の有期拘禁刑」となる場合があります。その場合の時効の期間は、適用される罪によって変わり得るため、当社は断定しません。犯人の検挙や罪の重さについては、投資詐欺の犯人の検挙の記事で整理しています。

この記事で確認できなかった点は?

期限が気になるとき、いま何をすればいい?

  1. 追加の入金・送金をしない。「出金のため」「税金のため」と言われても払わない
  2. 振込で払った場合は、振込先の金融機関にすぐ連絡する。犯人が引き出す前でなければ、分配金の対象になりません
  3. 振込明細、相手とのやり取り(SNS・LINE・メール)、投資サイト・アプリの画面を、削除せず保存する
  4. 暗号資産で送った場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
  5. 「期限が迫っている」「今なら取り戻せる」と急かす連絡に注意する(二次被害の記事)
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参考

2026年10月10日時点の公開情報と現行の条文にもとづいています。個別の事案の時効の起算点や完成の有無は、事情によって異なります。

投資詐欺の時効・期限に関するよくある質問

投資詐欺に時効はありますか?

あります。損害賠償の請求権は、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効にかかります(民法724条)。詐欺罪の公訴時効は、10年以下の拘禁刑という法定刑から7年です(刑事訴訟法250条)。個別の起算点は事情によって異なります。

振込で払ってしまいました。いつまでに金融機関に連絡すればいいですか?

期限は決まっていませんが、できるだけ早くです。犯人が預金口座等からお金を引き出してしまうと、被害回復分配金の支払は受けられないと金融庁が説明しています。気づいた時点ですぐ、振込先の金融機関に連絡してください。

被害回復分配金の申請期間は、どのくらいですか?

金融庁は、公告があった日の翌日から30日以上設けられると説明しています。期間内に申請できなかった場合は、支払を受けることができません。振込先の金融機関に被害を申し出た場合は、金融機関から申請期間が個別に連絡されます。

暗号資産で送った場合も、期限はありますか?

振り込め詐欺救済法の対象は預金口座等への振込みです。暗号資産で送った分に、申請期間が定められた同様の制度は、当社が確認した範囲では見当たりませんでした。送金のTXIDと送金先のアドレスを早めに控えておくことが重要です。

執筆・監修

小野田泰久

株式会社ベスト 代表取締役 / CryptoTracer 運営責任者

仮想通貨(暗号資産)詐欺の送金先追跡調査に従事。 本記事の内容は、公開されているブロックチェーン情報と、 実際の調査で確認した送金経路の傾向にもとづいて記載しています。 資金の回収・返金や、送金先の持ち主の氏名・住所の特定は行っていません。
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