仮想通貨詐欺コラム|被害回復

ドバイの暗号資産免許は安全?VARAの名簿と日本の登録の確かめ方

公開日:

結論

ドバイで暗号資産の事業を行うには、ドバイの規制当局VARA(仮想資産規制局)の免許が必要で、免許を受けた事業者と、免許手続き中の条件付き承認(IPA)の事業者は、VARAの公開名簿で確認できます。IPAだけの事業者は、営業を始めることが禁じられています。

ただし、「ドバイの免許がある」ことは、日本の居住者に勧誘してよい、という意味ではありません。金融庁は、海外の事業者であっても、日本の居住者に暗号資産交換業を行うなら、金融庁への登録が必要と書いています。VARAは、2025年10月に無免許・広告規制違反の19社に制裁を科し、免許の状況を偽った事業者への警告も出しています。

「ドバイの政府に認可された暗号資産の会社です」「ドバイのライセンスを持っています」——海外の勧誘でよく聞く言葉です。この記事では、ドバイの規制当局VARAの公式ページと、金融庁の公表資料を当社が直接確かめて、確かめ方と、見落としやすい点を整理します。

ドバイの「認可」とは、何のこと?

VARA(Virtual Assets Regulatory Authority、仮想資産規制局)は、ドバイの暗号資産(仮想資産)を規制する当局です。公式ページには、「VARAは、ドバイのフリーゾーンと本土の仮想資産を規制する唯一の当局」で、ただし、ドバイ国際金融センター(DIFC)の管轄内は除くと書かれています。

また、VARAは、「VARAの免許を持つ事業者だけが、ドバイ域内で仮想資産のサービスを行い、提供することを認められている」と書いています。当社が2026年10月16日に、VARAの公式ページ(英語)を確認し、日本語に要約しました。

ドバイの免許は、どこで確かめられる?

VARAは、公開名簿(Public Register)で、免許を受けた事業者と、条件付き承認(In-Principle Approval、IPA)を持つ事業者を公開しています。名簿には、与えられた免許の種類などの詳細が載っています。

VARAの公開名簿にある、2つの区分
区分意味VARAの説明
免許(fully licensed)VARAの免許手続きを終えた事業者ドバイ域内で、免許の範囲のサービスを提供できる
条件付き承認(IPA)免許手続きの途中で与えられる、条件付きの段階「営業の開始、仮想資産の活動、顧客へのサービス提供が、厳しく禁止されている」(完全な免許を得るまで)

名簿に名前が載っていても、IPAだけの事業者は、営業ができません。「ドバイで承認を受けた」と言われたときは、免許なのか、IPAなのかを、名簿で確かめてください。

「免許あり」とうたって、警告された例はある?

VARAは、公式ページで、無免許の事業者への制裁や警告を公表しています。当社が確認したものは、次のとおりです。

VARAが公表している、無免許・免許の偽りに関する制裁・警告(当社が確認したもの)
日付内容
2025年4月23日VARAとドバイ土地局(DLD)が連名で警告。不動産トークン化の試験事業への参加を、正式な確認なしにうたう者は、立場を偽っている(misrepresenting its status)
2025年10月7日無免許の暗号資産活動と、マーケティング規則への違反で、19社に制裁。停止命令と、AED 100,000〜600,000の罰金
2025年10月27日VESTA PRIME PORTAL CO. L.L.C(通称 Vesta Investments)について、ドバイでの免許がないのに暗号資産の活動を宣伝し、免許の状況を偽っているとして警告
2026年3月5日MEXCについて、「ドバイで暗号資産のサービスを提供する免許を持っていない」とする警告(KuCoinについても、同日付の警告と、のちの罰金通知がある)

VARAは、警告のたびに、「事業者を利用する前に、VARAの公開名簿で、免許・承認の状況を確かめてください」と呼びかけています。これらは、「ドバイでの免許がない」ことの警告で、詐欺と認定したものではありません。MEXCとKuCoinについては、金融庁の警告を含め、MEXCの記事とKuCoinの記事で整理しています。

ドバイの免許があれば、日本人を勧誘してもいい?

そうではありません。金融庁は、次のように書いています。

VARAの免許は、ドバイ域内のサービスの許可です。日本の居住者に勧誘するための、日本の登録の代わりにはなりません(これは、VARAと金融庁、それぞれの公式の説明を並べた、当社の整理です)。日本の登録の有無は、金融庁の登録一覧と警告リストで確かめてください。手順は仮想通貨詐欺の見分け方にまとめています。

⚠ 当社の見解「ドバイの政府に認可されている」と言って、日本の居住者に暗号資産の投資を勧めてくる相手は、日本での登録の有無を、必ず確かめてください。ドバイの免許は日本での勧誘の根拠にならず、免許の状況を偽る事業者について、VARA自身が警告を出しています。日本の登録がなく、勧誘の連絡がSNSやLINEから来る場合は、当社は、入金を、おすすめしません。

「ドバイ」と言われたら、どの順番で確かめる?

  1. 日本の登録を確かめる。金融庁の暗号資産交換業者登録一覧と、金融事業者一括検索で、名称を調べる。載っていなければ、日本の登録業者ではない
  2. 金融庁の無登録業者の警告リストを確かめる。ただし、載っていなくても、安全という意味ではない
  3. VARAの公開名簿で、免許・IPAの区分を確かめる。免許なのか、IPAだけなのかを見る
  4. VARAの規制通知(警告・制裁)に、名前がないか見る。
  5. 勧誘の経路を見る。SNSやメッセージアプリで知り合った相手の勧誘は、登録の有無にかかわらず、慎重に

出金できないと言われたら?

ドバイの業者を名乗るサイトで、出金できない、追加の入金(手数料・保証金・税金)を求められる、という相談は、出金のための税金・手数料の記事にある流れと、同じ形をしていることがあります。金融庁の相談室も、保証金・税金の名目で金銭をだまし取る手口に、注意を呼びかけています。追加の入金は、いったん止めてください。

この記事で確認できなかった点は?

「ドバイの業者」に入金・送金してしまったら?

  1. 追加の入金・送金をしない。「出金のため」「免許の更新のため」と言われても払わない
  2. サイトの画面、取引の履歴、免許をうたう書類、勧誘者とのやり取り(LINE・SNS・メール)を、削除せず画像で保存する
  3. 銀行振込で払った場合は、振込先の金融機関にすぐ連絡する。暗号資産で送った場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
  4. 「取り戻せる」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)
送金先を調べたい方は、LINEでご相談ください

送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。

LINEで無料相談

友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。

参考

2026年10月16日時点の公開情報にもとづいています。VARAの英語の原文は、当社が日本語に要約しました。VARAの警告は、ドバイでの免許がないことなどの警告で、詐欺の認定ではありません。

ドバイの暗号資産ライセンスに関するよくある質問

ドバイの暗号資産の免許は、どこで確かめられますか?

ドバイの規制当局VARAの公開名簿(Public Register)で、免許を受けた事業者と、条件付き承認(IPA)を持つ事業者が確認できます。IPAだけの事業者は、完全な免許を得るまで、営業の開始や顧客へのサービス提供が、厳しく禁止されています。

ドバイの免許があれば、日本人を勧誘してもいいのですか?

いいえ。金融庁は、海外の事業者であっても、日本の居住者に暗号資産交換業を行うなら、日本の法令に基づく登録が必要と書いています。VARAの免許は、ドバイ域内のサービスの許可で、日本の登録の代わりにはなりません。

VARAは、無免許の事業者に何をしていますか?

VARAは、2025年10月7日に、無免許の暗号資産活動とマーケティング規則違反で19社に制裁(停止命令と、AED 100,000〜600,000の罰金)を科したと公表しています。免許の状況を偽っている事業者への警告も、公式ページに載っています。

「ドバイで認可されている」と言われて出金できなくなりました。どうすればいいですか?

追加の入金(手数料・保証金・税金)は、いったん止めてください。サイトの画面、取引の履歴、勧誘者とのやり取りを保存し、銀行振込なら振込先の金融機関に連絡、暗号資産で送ったなら送金のTXIDと送金先のアドレスを控えてください。

執筆・監修

小野田泰久

株式会社ベスト 代表取締役 / CryptoTracer 運営責任者

仮想通貨(暗号資産)詐欺の送金先追跡調査に従事。 本記事の内容は、公開されているブロックチェーン情報と、 実際の調査で確認した送金経路の傾向にもとづいて記載しています。 資金の回収・返金や、送金先の持ち主の氏名・住所の特定は行っていません。
運営者情報・調査の方針を見る

送金先の追跡を相談・依頼する

トランザクションハッシュと送金先アドレスがあれば、オンラインで調査を依頼できます。1件¥9,800、最短翌日。 申し込む前に、自分のケースが調査できるかをLINEで相談することもできます(相談は無料です)。

調査の仕組みと料金は、仮想通貨詐欺の調査会社「CryptoTracer」のサービス紹介で詳しくご覧いただけます。