仮想通貨詐欺コラム|被害回復

ビットコインを要求する脅迫メールは本物?IPAとJC3が示す注意点

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結論

「あなたの端末をハッキングした」「恥ずかしい映像を撮影した。公開されたくなければビットコインを払え」というメールは、IPAとJC3が、不特定多数に送られている迷惑メール(架空請求)だと説明しています。IPAは、メールは無視して、仮想通貨の支払いは行わないでと呼びかけ、支払いに応じなかったために映像がばらまかれた事例は、1件も確認されていないと書いています。

メールの件名に、自分のパスワードが書かれていたり、送信元が自分のアドレスになっていたりすることがあります。IPAは、パスワードは外部のサービスから漏えいしたデータをもとに書かれていると考えられ(流出経路と原因は不明)、送信元は差出人の詐称と推察されると書いています。記載のパスワードを今も使っているなら、変更し、2段階認証を設定してください。

「自分のパスワードが書いてある。本当にハッキングされたのでは」——ビットコインを要求する脅迫メールを受け取って、慌てた人も多いはずです。この記事では、IPA、JC3、FTC、FBIの公表資料を当社が直接確かめて、メールの仕組みと、受信後の対応を整理します。

「ハッキングした」「映像を撮った」というメールは、本当?

IPA(情報処理推進機構)は、2018年7月以降、「アダルトサイトを閲覧しているあなたの姿をウェブカメラで撮影した。家族や同僚にばらまかれたくなければ仮想通貨で金銭を支払え」というメールの相談が増えたと書いています。IPAの相談窓口では、最初の相談が2018年3月、9月に263件、2019年9月末の累計は約1,300件でした。

IPAは、そのうえで次のように書いています。当社が2026年10月16日に、原文のページを確認しました。

JC3(日本サイバー犯罪対策センター)も、「こうした脅迫メールは、不特定多数に送信されている架空請求メールです。受信しても慌てず、無視しましょう」と書いています。

なぜ、自分のパスワードやアドレスが書かれている?

メールを本物らしく見せる工夫が、IPAの資料に書かれています。

IPAが挙げる、メールを本物らしく見せる仕掛け
見かけの特徴IPAの説明
送信元が自分のアドレスになっている差出人のメールアドレスの詐称と推察され、技術的に可能。迷惑メールのフィルタリングを回避し、メールアカウントをハッキングしたと信じさせることが目的とみられる
件名や本文の冒頭に、自分のパスワードが書かれている受信者が、ウェブサービス等で設定したことのあるパスワードが書かれている場合がある。現在使用中のものの場合も、古いものの場合もあり、外部のサービスから漏えいしたデータをもとに書かれていると考えられる(流出経路と原因は不明)
要求の形「48時間または50時間以内に、ビットコインで5,000ドル(金額はケースによって異なる)」などと、期限と金額を示す

JC3は、メールの本文が日本語であれば日本円、韓国語であればウォン、英語であれば米ドルと、言語に合わせた通貨で脅迫する例や、日本語の不自然さが減り、絵文字を使ったり具体的に書いたりして信ぴょう性を高めようとする例があると書いています。また、「警察や友人に相談しないように脅す」例も挙げています。脅し文句に、焦らされないでください。

相談の件数は、どのくらい?

IPAは、四半期ごとの相談状況で、「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」に関する相談件数を公表しています。

IPAの情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた、暗号資産で金銭を要求する迷惑メールの相談件数
期間相談件数
2025年4〜6月38件
2025年7〜9月57件
2025年10〜12月56件
2026年1〜3月21件
2026年4〜6月30件(前四半期から約42.9%増)

IPAは、2026年4〜6月の相談について、「メールに書かれている嘘の恐喝内容に驚いて、その真偽についてのご相談が引き続き寄せられています。しかし、暗号資産で金銭を支払ってしまったという相談は確認していません」と書いています。フィッシング対策協議会の月次報告にも、毎月、「仮想通貨での支払いを要求する脅迫メールなどの報告も、前月と同様に多数寄せられました」という記載があります。

受信したあと、何をする?

  1. メールは無視する。返信・支払い・リンクのクリック・添付ファイルの展開をしない(IPA)
  2. メールに書かれたパスワードを、今も使っているなら変更する。IPAは、パスワードは長く複雑にし、複数のサービスで使い回さないこと、2段階認証の設定を勧めています
  3. 同じパスワードを使っているサービスがあれば、すべて変更する
  4. ビットコインのアドレスに送金しない。一度送ると、取り戻すのは困難です
  5. 気になる場合は、メールのスクリーンショットを保存しておく
⚠ ビットコインを送ってしまったら送金してしまったときは、送金のTXIDと、送金先のアドレスを控えてください。ブロックチェーンの送金記録は公開されていますが、そのアドレスを使っている人の本人情報は、公開されていません。当社は、資金の回収や返金はお約束しません。追加の送金や、「取り戻せる」と持ちかけてくる相手には、応じないでください。

本物の「性的な画像を使った恐喝」とは、どう違う?

ここまでの話は、不特定多数に送られる迷惑メールの話です。一方、実際に画像や動画を送らされ、それを材料に恐喝される被害は、別の類型です。FBI(米国)のIC3は、出会い系サイトやアプリで知り合い、メッセージアプリに移ってから、性的な画像を交換させて恐喝する手口の被害が増えていると警告しています(2021年7月31日時点で、2021年に16,000件超、損失800万ドル超)。恐喝者とのやり取りを、すべて止めることを勧めています。

実際に、画像や動画を送ってしまった場合は、迷惑メールの話とは状況が異なります。この記事は、迷惑メールへの対応を整理したもので、そうした被害は別に考える必要があります。

この記事で確認できなかった点は?

不安が残るとき、まず何をする?

  1. メールへの返信・送金・リンクのクリックを、いったん止める
  2. 使い回しているパスワードを変更し、2段階認証を設定する
  3. すでにビットコインを送ってしまった場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
  4. 「取り戻せる」と連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)。返金の仕組みは返金の記事にまとめています
送金先を調べたい方は、LINEでご相談ください

送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。

LINEで無料相談

友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。

参考

2026年10月16日時点の公開情報にもとづいています。英語の原文は、当社が日本語に要約しました。IPAの「1件も確認されていない」は、IPAの相談窓口で確認されたものについての記載です。

ビットコインを要求する脅迫メールに関するよくある質問

「ハッキングした」「映像を撮った」というメールは、本当ですか?

IPAとJC3は、不特定多数に送られている迷惑メール(架空請求)だと説明しています。IPAは、撮影した映像がメールにあった事例も、支払いに応じなかったために映像がばらまかれた事例も、確認されていないと書いています。メールは無視し、支払いはしないでください。

メールに、自分が使っていたパスワードが書いてありました。ハッキングされたのですか?

IPAは、受信者が過去に設定したことのあるパスワードが書かれている場合があると説明しています。現在使用中の場合も、そうでない場合もあります。記載のパスワードを今も使っているなら、変更し、2段階認証を設定してください。

送信元が自分のメールアドレスになっています。アカウントを乗っ取られたのですか?

IPAは、差出人のアドレスを詐称していると推察しています。詐称は技術的に可能で、アカウントをハッキングしたと信じさせることが目的とみられます。見かけの送信元が自分でも、慌てず対応してください(JC3も同様に説明しています)。

ビットコインを送ってしまいました。どうすればいいですか?

追加の送金はせず、送金のTXIDと送金先のアドレスを控えてください。IPAの2026年4〜6月の相談状況では、暗号資産で金銭を支払ってしまったという相談は確認されていません。「取り戻せる」と連絡してくる相手には注意が必要です。

執筆・監修

小野田泰久

株式会社ベスト 代表取締役 / CryptoTracer 運営責任者

仮想通貨(暗号資産)詐欺の送金先追跡調査に従事。 本記事の内容は、公開されているブロックチェーン情報と、 実際の調査で確認した送金経路の傾向にもとづいて記載しています。 資金の回収・返金や、送金先の持ち主の氏名・住所の特定は行っていません。
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