仮想通貨詐欺コラム|被害回復

ポンジ・スキームとは?暗号資産の高配当を疑うSECとJ-FLECの兆候

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結論

ポンジ・スキームとは、先に出資した人への配当や払い戻しを、後から入った人の資金で払う投資詐欺です。アメリカのSECは、「実際には運用せず、先の投資家への支払いに使い、一部を自分のために取る」ことが多いと説明しています。金融経済教育推進機構(J-FLEC)は、最初は実際に配当が受け取れたり、友人知人の紹介料がもらえたりするため、詐欺師を信用しやすくなると書いています。

SECは、見分ける兆候として、「リスクがほとんどないのに高いリターン」「過度に安定したリターン」「未登録の投資」「無免許の販売者」「秘密めいた複雑な戦略」「書類の不備」「払い戻しが難しい」の7つを挙げています。暗号資産は、規制が薄く見えるため詐欺に使われやすいと、SECは2013年の警告で書いています。

「最初の数か月は、毎月配当が入っていた。でも、ある日から出金できなくなった」——投資詐欺の相談で、よく聞く流れです。この仕組みは「ポンジ・スキーム」と呼ばれます。この記事では、J-FLEC、アメリカのSEC、証券取引等監視委員会、金融庁の資料を当社が直接確かめて、仕組みと兆候を整理します。

ポンジ・スキームとは、何?

J-FLEC(金融経済教育推進機構)は、ポンジ・スキームを、「投資詐欺の手口の一種。『元本保証』『確実に儲かる』などの高いリターンを売りに近づき、お金を出す側は、最初は実際に配当を受け取れたり、友人知人の紹介料がもらえるため、詐欺師を信用しやすくなる」と説明しています。そのうえで、「より多くの資金を運用したところで、配当も払い込んだ資金も払い戻されなくなり、詐欺師には連絡がつかなくなる」と書いています。「有名人を広告に利用していることもある」とも書かれています。当社が2026年10月16日に、原文のページを確認しました。

アメリカのSEC(証券取引委員会)の投資家向けサイトは、次のように説明しています(英語の原文を、当社が日本語に要約しました)。

なぜ、最初は配当が出て、紹介料も入る?

J-FLECは、最初に配当や紹介料が実際に支払われることで、詐欺師への信用が生まれると説明しています。SECが説明する仕組みを当てはめると、先に出資した人への配当は、運用の利益ではなく、後から入った人の資金から払われているため、後から入る資金が細ると、支払いが止まります。

証券取引等監視委員会も、無登録業者の注意として、「実際には契約内容のとおりの取引を行っていない商品であったとしても、返金等を希望する顧客に対し、他の顧客の投資資金を交付することで、返金等に応じることがあります。これまでに返金等を受けることができていたとしても、そのことをもって、直ちに当該商品が信頼できるとは言えません」と書いています。少額の払い戻しができたことは、安全の証拠になりません。

見分ける兆候は?

SECは、ポンジ・スキームの共通点として、次の7つの兆候を挙げています(当社が日本語に要約しました)。

SECが挙げる、ポンジ・スキームの兆候(Investor.gov)
兆候SECの説明の要点
リスクがほとんどないのに高いリターンどんな投資にも、ある程度のリスクがあり、高いリターンには、より大きなリスクが伴う。「保証された(guaranteed)」投資には強く疑いを持つ
過度に安定したリターン投資の成績は、時間とともに上下する。市場の状況にかかわらず、定期的にプラスが出る投資は疑う
未登録の投資多くの場合、登録されていない投資。登録があれば、会社の経営、商品、財務の情報が得られる
無免許の販売者投資の専門家・会社には、免許や登録が必要。多くは、無免許の個人や未登録の会社が関わる
秘密めいた複雑な戦略理解できない、または、完全な情報が得られない投資は避ける
書類の不備口座明細の誤りは、資金が約束どおり運用されていない兆候になりうる
支払いを受け取れない・払い戻しが難しい支払いが来ない、現金化が難しい場合は疑う。主催者が、「もっと高い利回りで預け続けて」と、払い戻しを妨げることもある

日本の金融庁の「詐欺的な投資勧誘等」のページにも、同じ形の相談例が載っています。「暗号資産やコモディティ等で運用すると必ず儲かるとうたう高利回りな投資話。当初は配当があり払戻しもできたが、突然サービスが停止し、払戻しができなくなった」というものです。

暗号資産は、なぜポンジに使われやすい?

SECは、2013年の投資家向け警告で、「暗号資産の利用が広がるにつれ、詐欺師が、ポンジなどの仕組みに暗号資産を使って、投資家を誘うおそれがある」と書いています。理由として、暗号資産の取引は、通常の通貨より、プライバシーが高く、規制が薄いと(詐欺師に)みなされることを挙げています。ビットコインのポンジとされた事例では、「週7%の利息」が約束されていた、とも書いています(事例の名前は、この記事では扱いません)。

SECは、詐欺師は、最新の技術や成長産業を使って、投資家を誘い、高いリターンへの期待を持たせるとも書いています。新しいもの、先進的なものを前にすると、疑いが弱まりやすいためです。

⚠ 当社の見解「毎月、元本に対して固定の配当が入る」「損をしない」「紹介すると報酬」とうたう暗号資産や投資の話は、当社は、ポンジ・スキームの兆候に当てはまる可能性が高いと考えます。最初の配当や、少額の払い戻しができたことは、安全の根拠になりません。登録の有無(仮想通貨詐欺の見分け方)と、配当の出どころの説明を、必ず確かめてください。

「払い戻せない」と言われたら、どうする?

SECは、「支払いを受け取れない、または現金化が難しい場合は疑う」と書いています。出金できなくなった場面で、追加の入金(手数料・税金・保証金)を求められたら、さらに疑ってください。出金のために先に払う流れは、出金のための税金・手数料の記事で詳しく書いています。

この記事で確認できなかった点は?

配当が止まった・出金できなくなったら?

  1. 追加の入金・送金をしない。「もっと預ければ払い戻せる」と言われても、応じない
  2. 契約書、配当の履歴、勧誘者とのやり取り(LINE・SNS・メール)、サイトやアプリの画面を、削除せず画像で保存する
  3. 銀行振込で払った場合は、振込先の金融機関にすぐ連絡する。暗号資産で送った場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
  4. 「取り戻せる」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)。返金の仕組みは返金の記事にまとめています
送金先を調べたい方は、LINEでご相談ください

送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。

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参考

2026年10月16日時点の公開情報にもとづいています。英語の原文は、当社が日本語に要約しました。SECの警告(2013年)の事例の名前や、主催者の名前は、この記事では扱っていません。

ポンジ・スキームに関するよくある質問

ポンジ・スキームとは、何ですか?

先に出資した人への配当や払い戻しを、後から入った人の資金で払う投資詐欺です。J-FLECは、元本保証や確実に儲かるなどの高いリターンを売りに近づき、最初は配当や紹介料が支払われるため信用しやすいが、やがて払い戻されなくなり、連絡がつかなくなる詐欺と説明しています。

最初は配当が出て、少額なら出金もできました。それでも詐欺の可能性はありますか?

あります。J-FLECは、最初は実際に配当を受け取れることで、詐欺師を信用しやすくなると書いています。証券取引等監視委員会も、無登録業者が返金希望者に他の顧客の資金で応じることがあり、返金を受けられていても信頼できるとは言えないと注意しています。

ポンジ・スキームの兆候には、何がありますか?

アメリカのSECは、リスクがほとんどないのに高いリターン、過度に安定したリターン、未登録の投資、無免許の販売者、秘密めいた複雑な戦略、書類の不備、払い戻しが難しいこと、の7つを挙げています。複数が当てはまるときは、特に注意してください。

暗号資産の高配当の話は、ポンジの可能性がありますか?

SECは、暗号資産は、規制が薄く、プライバシーが高いとみなされるため、詐欺師がポンジなどに使うおそれがあると警告しています。固定の高い配当や、損をしないという説明があれば、当社は、ポンジ・スキームの兆候に当てはまる可能性が高いと考えます。

執筆・監修

小野田泰久

株式会社ベスト 代表取締役 / CryptoTracer 運営責任者

仮想通貨(暗号資産)詐欺の送金先追跡調査に従事。 本記事の内容は、公開されているブロックチェーン情報と、 実際の調査で確認した送金経路の傾向にもとづいて記載しています。 資金の回収・返金や、送金先の持ち主の氏名・住所の特定は行っていません。
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