仮想通貨詐欺コラム|被害回復

マイニング・ステーキングに出資すると儲かる?公的資料が示す注意点

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結論

マイニングやステーキングへの出資の勧誘について、金融庁は、ファンドへの出資を募る者には原則として登録が義務付けられ、登録を受けない勧誘は「詐欺的な商法であるおそれが高い」と書いています。国民生活センターの2018年の事例には、「マイニング用のスーパーコンピューターに出資すれば3カ月で元が取れる」「人を紹介すると仮想通貨でマージンが入る」と誘われたものがあります。

ステーキングや暗号資産の貸借では、金融審議会が、利用者が事業者の信用リスクや価格変動リスクを負うと整理しています。正規の事業者の場合でも、元本が保証されるものではありません。令和8年7月に金融商品取引法等の改正法が成立しましたが、施行の時期は、当社が確認できていません。

「マイニングの機械に出資すれば、毎月配当が入る」「ステーキングなら、預けるだけで高い利回り」——こうした話を勧められたとき、何を確かめればよいのか。この記事では、国民生活センター、金融庁、金融審議会の資料を当社が直接確かめて、整理します。最近の詐欺の事例は公的資料に乏しいため、仕組みと法的な位置づけを中心に書きます。

マイニングへの出資とは、何にお金を出すこと?

国民生活センターは、マイニングを、「取引の承認や確認作業を、金銀の採掘になぞらえてマイニング(採掘)と言う」と説明しています。勧誘では、「マイニング用の機械(コンピューター)に出資すれば、報酬が分配される」といった形で、出資を募ります。

ここで大事なのは、マイニング「そのもの」に参加するのではなく、他人にお金を預けて、その事業の収益を分けてもらうという点です。他者から金銭を集めて事業や投資を行い、その収益を分配する仕組みは、金融庁が「いわゆるファンド」として整理しているものに当たる場合があります。

無登録で出資を集めるのは、法律上どう扱われる?

金融庁のページによると、金融商品取引法は、組合などのファンドへの出資を募ったり、ファンドの財産の投資運用を行う者に、原則として登録を義務付けています。そのうえで、次のように書いています。

なお、マイニングへの出資のすべてが、このファンドの規制に当たるわけではなく、当てはまるかどうかは、仕組みによります。当社は、個別の案件の判断はできません。

「3カ月で元が取れる」「紹介でマージン」は、どこがおかしい?

国民生活センターが2018年に公表した資料に、50歳代女性の事例(2018年1月受付)があります。年が古いので、年を明記して紹介します。

  1. 友人から、「海外の事業者が運営する仮想通貨のマイニングを行うスーパーコンピューターに出資すれば、3カ月で元がとれる」、「人を紹介すると仮想通貨でマージンが入る」と誘われた
  2. 友人の勧めなので100万円を預けることにして、半額を振り込んだ
  3. マイページでは、毎日作られる仮想通貨が分配されているのが確認できるが、とても3カ月で元がとれるとは思えず、話が違う
  4. 契約書はない

国民生活センターは、このような勧誘について、勧誘された仮想通貨や投資が実在するかどうか明らかでなく、値上がりの理由や高配当の仕組みが不明確だと分析し、知人の誘いでも不安なら取引しないよう助言しています。マイページの数字は、運営側が表示しているもので、実際の運用を示す証拠にはなりません。また、「人を紹介すると報酬」という構造は、出資者を増やすことで成り立つ仕組みの可能性があり、注意が必要です。

国民生活センターのPIO-NETに寄せられた仮想通貨の相談件数(年度別、2018年3月31日までの登録分)
年度相談件数
2014年度186件
2015年度440件
2016年度847件
2017年度2,666件(2016年度のおよそ3倍)

ステーキング・暗号資産の貸借とは、何で、誰がリスクを負う?

金融審議会のワーキング・グループは、令和7年12月の報告で、次のビジネスが行われていると書いています。個人投資家等から暗号資産を借り入れ、ステーキングや再貸付け等で運用し、一定期間後に貸借料を付して返すというものです。

つまり、預けた暗号資産が、そのまま戻ってくることが約束されているわけではありません。報告は、現行法では、他人から暗号資産を借り入れる行為は、暗号資産の「管理」に当たらなければ、暗号資産交換業の登録は不要とされていると書いています。そのうえで、利用者保護の観点から、金融商品取引法の規制の対象にすることが適当だと提言しました(報告の提言で、法律そのものではありません)。

法律は、どう変わる?

金融庁の資料によると、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律は、令和8年4月10日に提出され、令和8年7月15日に成立しました。説明資料(2026年4月)には、次の内容が書かれています。

改正法の説明資料にある主な内容(金融庁・2026年4月)
項目内容
暗号資産の借入れ利用者から暗号資産の借入れを行う業務を、暗号資産取引業の対象に追加
無登録業への罰則拘禁刑3年から10年に引き上げ(資金決済法の3年から、金商法の10年の対象に)
無登録業者による売付け民事効の規定の対象に追加(原則無効として、立証責任を転換)

施行の時期は、当社が確認した範囲で、確定していません(説明資料の施行期日は、「公布から1年以内」を基本とする幅のある記載でした)。成立したことと、今すぐ規制が働くことは別です。現時点で、勧誘の相手が登録を受けているかを、自分で確かめる必要があります。

「高利回り」「元本保証」と言われたら、何を確かめる?

金融庁の「詐欺的な投資勧誘等」のページには、次のような相談例があります。

日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)も、「必ず儲かる」「元本保証」「短期間で高収益」を、詐欺の典型的な誘い文句としたうえで、「投資に絶対の保証は存在しません」と書いています。

⚠ 当社の見解マイニングやステーキングへの出資を、「元本保証」「毎月の配当」「人を紹介すると報酬」とうたって勧められたら、当社は、その時点で詐欺の可能性が高いと考えます。元本の保証は、勧誘した側にできることではなく、金融庁も、無登録のファンドの勧誘は詐欺的な商法であるおそれが高いと書いています。画面(マイページ)に表示される配当は、実際の運用の証拠になりません。登録の有無は、仮想通貨詐欺の見分け方にまとめた手順で確かめてください。

「引き出せない」とき、正規の制限と詐欺はどう見分ける?

ステーキングや貸借のサービスでは、正規の事業者でも、一定期間は引き出せない契約(ロックアップ)があります。見分けるときの目安は、次のとおりです(当社の整理です)。

引き出せないときの、見分けるポイント(当社の整理)
確認すること正規の制限の場合疑うべき場合
契約・規約に書かれているか引出しの条件・期間が、契約や規約に書かれている書かれていない。あとから条件が増える
引き出すために追加の支払いを求められるか通常、求められない「手数料」「税金」「保証金」の名目で、先に支払いを求められる
運営の連絡先が分かるか運営会社の名前・所在地・登録の有無が確かめられる連絡がLINEやSNSだけ。運営会社が確かめられない

出金のために先に支払いを求められる流れは、出金のための税金・手数料の記事で詳しく書いています。

この記事で確認できなかった点は?

出資してしまったら、まず何をする?

  1. 追加の出資・送金をしない。「配当が止まったので追加が必要」と言われても払わない
  2. 契約書、パンフレット、マイページの画面、配当の履歴、勧誘者とのやり取り(LINE・SNS・メール)を、削除せず保存する
  3. 銀行振込で払った場合は、振込先の金融機関にすぐ連絡する。暗号資産で送った場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
  4. 「取り戻せる」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)。返金の仕組みは返金の記事にまとめています
送金先を調べたい方は、LINEでご相談ください

送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。

LINEで無料相談

友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。

参考

2026年10月16日時点の公開情報にもとづいています。国民生活センターの事例は2018年のものです。改正法は成立済みですが、施行日は当社が確認できていません。

マイニング・ステーキングへの出資に関するよくある質問

マイニングへの出資は、詐欺ですか?

すべてが詐欺とは言えませんが、金融庁は、ファンドへの出資を募る者には原則として登録が必要で、無登録の勧誘は詐欺的な商法であるおそれが高いと書いています。国民生活センターの2018年の事例には、3カ月で元が取れる、人を紹介するとマージンが入る、と誘われたものがあります。

ステーキングで預けた暗号資産は、元本が保証されますか?

保証されません。金融審議会は、暗号資産を預ける利用者(貸主)が、事業者の信用リスク(スラッシング等の対象となるリスクを含む)と、価格変動リスクを負うと整理しています。「元本保証」とうたう勧誘は、疑ってください。

金融庁に登録している事業者なら、安心ですか?

安心とは言えません。金融庁は、登録や届出を行っている業者についても、金融庁・財務局がその業者の信用力等を保証するものではないと書いています。登録の確認は入口で、契約内容を理解することが必要です。

改正法が成立したと聞きました。いつから適用されますか?

金融商品取引法及び資金決済に関する法律の改正法は、令和8年7月15日に成立しました。ただし、施行の時期は、当社が確認した範囲で確定していません。成立したことと、すぐに規制が働くことは別なので、勧誘の相手が登録を受けているかを、自分で確かめてください。

執筆・監修

小野田泰久

株式会社ベスト 代表取締役 / CryptoTracer 運営責任者

仮想通貨(暗号資産)詐欺の送金先追跡調査に従事。 本記事の内容は、公開されているブロックチェーン情報と、 実際の調査で確認した送金経路の傾向にもとづいて記載しています。 資金の回収・返金や、送金先の持ち主の氏名・住所の特定は行っていません。
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