投資詐欺の偽アプリとは?画面の利益は偽物と警察庁・金融庁が指摘
公開日:
投資詐欺では、「投資用アプリをインストールして」と言われ、アプリの画面で利益が増えているように見せられる手口が、警察庁・金融庁から繰り返し報告されています。金融庁は、アプリ上で振り込んだ額と同額が入金されたかのように残高が表示されること、最初は出金できても、まとまった金額を出金しようとすると断られることを挙げています。
見分けるポイントは、アプリの名前を検索すること、振込先が個人名義でないか、振込のたびに口座が変わっていないか、の3つです。警察庁は、本物の投資話ではまずあり得ないと書いています。画面の残高は、犯人側が作れる数字です。入金を続ける前に、止まってください。
「勧められたアプリを入れたら、利益が出ている。でも、出金できない」——投資詐欺の相談でよく聞く流れです。この記事では、警察庁・金融庁の公表資料を当社が直接確かめて、偽の投資アプリの手口と、確かめ方を整理します。
投資詐欺のアプリは、どんな手口で使われる?
警察庁のSOS47のページには、アプリを使った被害の事例が載っています。当社が2026年10月16日に、原文のページを開いて確認しました。
| 被害者 | 被害額(合計) | アプリの場面 |
|---|---|---|
| 60代女性 | 約2,000万円 | 動画の概要欄のURLからグループチャットに招待され、「投資用アプリをインストールして下さい」と言われた。振込と暗号資産の送信で被害 |
| 70代男性 | 約1億円以上 | SNSで知り合った女性に勧められた暗号資産取引アプリをダウンロード。「保証金」「税金」の名目で複数回振り込んだ |
警察庁は、「犯人は投資用アプリやチャットでの会話から運用収益が上がっているよう見せかけてきます」と書いています。アプリは、偽の利益を見せるための画面として使われています。
アプリの画面では、何が起きている?
金融庁は、「証券口座を装ったスマホアプリが使われている事例」として、次の流れを挙げています。
- グループチャット等で投資勧誘されたあと、証券口座を開設するためと言って、アプリのインストールを求めてくる
- 既存の金融商品取引業者に似せた名称がアプリに使われていることがある
- 入金に、個人名義の口座を指定してくる
- アプリ上で、振り込んだ額と同額が入金されたかのように、残高が表示される
- 取引の結果、利益が出ているかのように装う
- 最初のうちは出金できるが、まとまった金額を出金しようとすると、理由をつけて断られ、その後出金できなくなる
ここで大事なのは、アプリの残高は、実際の口座の残高ではないということです。画面に表示された数字は、犯人側が作れます。出金のために「保証金」「税金」を先に払うよう言われる流れは、出金のための税金・手数料の記事で詳しく書いています。
勧められたアプリが本物かどうか、どう確かめる?
警察庁は、確認のポイントとして、次の3つを挙げています。
| 確認すること | 疑うべき状態 | 出典 |
|---|---|---|
| 勧められた「暗号資産」や「投資アプリ」の名前を、インターネットで検索する | 検索しても、勧められたものが出てこない。口コミなどで、架空のものや偽物と分かる場合もある | 警察庁 |
| 振込先の口座に不審な点がないか | 個人名義の口座を指定された。振込のたびに口座が変わっている。警察庁は、本物の投資話ではまずないと書く | 警察庁 |
| 取引する業者が、金融商品取引業や暗号資産交換業の登録を受けているか | 金融庁の金融事業者一括検索で、名称や電話番号から確認できる。金融庁は、証券会社が個人名義の口座を指定することはないと書く | 金融庁 |
金融庁は、既存の金融事業者を騙ったウェブサイトや、既存の金融事業者を騙った投資勧誘等も確認されていると注意しています。登録業者の名前が出てきても、そのアプリやサイトが本物とは限りません。登録の調べ方は、仮想通貨詐欺の見分け方にまとめています。
アプリはどこから入れるのが、公式の案内?
AppleとGoogleは、公式のサポートページで、アプリの入手先について注意を呼びかけています。
- Appleは、不要なもの、偽物、悪意のあるソフトウェアを避けるため、App Storeから入れるか、開発元の公式サイトから直接入手するよう案内しています。また、構成プロファイルのインストールを求めるアプリには注意するよう書いています(プロファイルは、端末を制御できる設定です)
- Googleは、Pixelの案内で、提供元が不明のアプリをダウンロードすると、端末と個人情報が危険にさらされるおそれがあると書いています
なお、警察庁・金融庁の資料は、詐欺のアプリが公式のストアにあるのか、ストア以外から入れさせるのかまでは、書いていません(当社は確認できませんでした)。「ストアにあるから安全」とも、「ストア以外だから詐欺」とも言い切れません。
この記事で確認できなかった点は?
- 警察庁・金融庁・消費者庁が、「ストア以外のアプリ(APKやプロファイル)を入れさせる」と明記した原文
- 偽アプリの被害件数・被害額の公的な統計(警察庁の統計は、アプリ別に分かれていません)
- 特定のアプリの名前や配布元(個別のアプリが詐欺かどうかは、この記事では扱っていません)
アプリを入れてしまった・入金してしまったら?
- 追加の入金・送金をしない。「出金のため」「税金のため」と言われても払わない
- アプリの画面、残高、取引の履歴、相手とのやり取り(LINE・SNS)を、削除せず画像で保存する。アプリを消す前に、保存しておいてください
- 銀行振込で払った場合は、振込先の金融機関にすぐ連絡する(口座に残っている間が勝負です)。振込先の口座名義も控える
- 暗号資産で送った場合は、送金のTXIDと送金先のアドレスを控える(TXIDの確認方法)
- アプリが、パスワードや秘密鍵、端末の設定(プロファイル)を求めてきたら、入力・許可しない。すでに入力した場合は、同じパスワードを使っているサービスの変更を検討する
- 「取り戻せる」と後から連絡してくる相手に注意する(二次被害の記事)
送金のTXIDや送金先のアドレス、やり取りの画面があれば、お金がどこへ送られたのかを調べられるかどうか、LINEでお答えします。「何を残せばいいか分からない」「TXIDの探し方が分からない」という段階でも構いません。
LINEで無料相談友だち追加のみで、こちらから電話をかけることはありません。ご相談は無料ですが、資金の回収・返金をお約束するものではありません。
- 警察庁・SOS47「SNS型投資詐欺」(手口のページ) — アプリの事例、確認ポイント(検索する・個人名義口座・口座が変わる)。2026年10月16日確認
- 金融庁「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」 — 証券口座を装ったスマホアプリの事例、金融事業者一括検索。2026年10月16日確認
- Apple Support「Recognize and avoid social engineering schemes…」 — ソフトウェアの入手先、構成プロファイルへの注意(英語)。2026年10月16日確認
- Google Pixel Phone Help「Download apps to your Pixel phone」 — 提供元が不明のアプリへの注意(英語)。2026年10月16日確認
2026年10月16日時点の公開情報にもとづいています。警察庁・金融庁の資料に載っている事例の被害者の属性・被害額は、原文のまま紹介しています。
投資詐欺のアプリに関するよくある質問
投資のためのアプリをインストールするよう言われました。大丈夫ですか?
当社は、詐欺の可能性が高いと考えます。警察庁の事例には、グループチャットで「投資用アプリをインストールして下さい」と言われ、約2,000万円の被害に遭ったものがあります。まず、アプリの名前をインターネットで検索し、出てこない場合は入金しないでください。
アプリの画面には利益が出ていて、少額なら出金もできました。本物ではないですか?
安全の根拠にはなりません。金融庁は、アプリ上で振り込んだ額と同額が入金されたかのように残高が表示されること、最初は出金できるが、まとまった金額を出金しようとすると断られ、その後出金できなくなることを、事例として挙げています。
振込先が個人名義の口座でした。問題ありますか?
疑ってください。警察庁は、本物の投資話であれば、振込先として個人名義の口座を指定されること、振込のたびに口座が変わることは、まずないと書いています。金融庁も、証券会社が個人名義の銀行口座を指定することはないとしています。
公式のストアにあるアプリなら、安全ですか?
そうとは言えません。警察庁・金融庁の資料は、詐欺のアプリの入手先までは書いていません。入手先だけでなく、アプリの名前を検索して情報が出てくるか、振込先が個人名義でないか、運営の登録の有無を確かめてください。
送金先の追跡を相談・依頼する
トランザクションハッシュと送金先アドレスがあれば、オンラインで調査を依頼できます。1件¥9,800、最短翌日。 申し込む前に、自分のケースが調査できるかをLINEで相談することもできます(相談は無料です)。
調査の仕組みと料金は、仮想通貨詐欺の調査会社「CryptoTracer」のサービス紹介で詳しくご覧いただけます。